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今じゃ罪悪感なんて感じねぇ。
そりゃあさ、俺も最初は感じてた。
けど気づいたんだ。
俺が気づかなかったら馬鹿な女共はエスカレートして行くってな。
少しでも俺と会話した女が居れば集団でそいつを虐めて。
そのくせ、自分が喋りかけるのは棚に上げる。
俺と隣の席になりたいからって元いたやつを脅して奪って何事も無かったように媚びてくる。
反吐が出る。
俺はそうやって俺の周りにいた友達が被害にあって傷ついていくのをずっと真近で見せられた。
でも、
そこで俺がそいつを庇うと裏で更に酷い目にあう。
助けたいのに助けられない。
悔しくて、悔しくて……
俺のせいで傷ついたやつに何もしてやれない。
そんな事が何十回も繰り返されて俺は気づいたんだ。
俺を好きだ好きだ言うくせに俺に群がってくる糞共は俺より自分を上に見てる。
なら、答えは簡単だ。
俺が糞共より上にたって支配すればいいってな。
そうたどり着いてからは簡単だった。
普段は優しい言葉をかけてやるが
少しでも周りに被害を出そうとすれば他の取り巻きを使って徹底的に追い詰める。
それの繰り返しだ。
人にやるのはよくて自分がやられるのは駄目なんて都合が良すぎるだろ?
それに馬鹿共はいくら俺が主犯だと見え見えに主張していても許してしまうんだ。
俺がイケメンだからな。あいつらの大好物だ。
馬鹿なあいつらは俺の前で自分がヒステリックになって俺を責めるのを嫌う。
誰だってマイナスな所を見せたくないだろ。
そうやって少しずつ誰が上か
分からせて行けば後はあっというまだ。
『皆平等に特別。反抗心を持っては嫌われる』
これが俺の取り巻き達の心得だ。
平等だけど特別。
そう思わせてやるのがポイントだ。
要は飴とムチだな。
そうやって今日まで俺は生きてきた。
傍から見たら気に入らないイケメンだろうな。
だから
俺が取り巻き以外のやつに恨まれても仕方が無いし、それで一々傷つく弱い心は捨てた。
俺は自分と大切なやつらのために
この外見を利用して強く生きなければならない。
それが、俺がイケメンとして生まれてしまった責任だ。
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