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天に昇る真っ赤な太陽。
美しい朝焼けに見惚れていた朝日。
ドンッ
「…っ!」
赤髪の彼は感極まったように朝日に抱きついてきた。
「な…っ何!?」
びっくりして彼の腕を振り払おうとするも、がっちりと体をホールドされていて、貧弱な朝日の腕ではどうすることもできなかった。
しばらく朝日は困惑の表情を浮かべ、されるがままになっていた。
「ーーもう…逃がさない。」
ーー低くつぶやくのその声は、朝日の耳には届かなかった。
「だ、大丈夫ですか?」
朝日は、赤髪の彼がまだ具合が悪いのだと思い込み、大きな腕に囲まれながらされるがままになっていた。
「すいません、僕ついさっきこの世界に来たばっかりで、何にもわからないんです。」
『存じております。
アヴェル様にこの世界の仕組み教えるのは我がラノリリス家の務め。
私は、ルギア・ラノリリス。ここ、ヴォールゼの王にございます。
どうか、城までご同行願えますか?』
赤髪の彼はそういって僕の手の甲にキスをした。
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