23、救イ

10/13
前へ
/40ページ
次へ
振り向くと、そこには一糸纏わない裸の悠馬が立っている。 バスルームに入るんだから当たり前だけど、タオルさえも巻いていない。 「……っ」 今更だけど、視線のやり場に困る。 身体を重ねあっている時は恥ずかしさなんて何時の間にか飛んでいて、そんな事を考える暇もない程、酔わされてしまっている。 この微妙な距離感とシチュエーションが私をまだ初心にさせてる。 「そこに座って」 「う、うん……」 「身体を洗うよ」 私は言われた通りにバスチェアに座って、悠馬を背にして待つ。 悠馬はボディーソープを泡立ててくれて、それを私の肌に乗せる。 「痛かったらちゃんと言って」 「……っ」 「痛い?」 「ううん……大丈夫……」 痛みじゃない。 悠馬は自分の手で私の肌に泡を乗せて、優しく洗ってくれる。 背中も腕も、脚も―… 優しく丁寧にケアしてくれる。 そして、後ろから伸びた細く、でも逞しさのある腕は私の鎖骨に。それから下へと―…動いていく。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加