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私は、このまま悠馬と関係を続けていて本当にいいの?
彼氏と彼女でもない、身体とお金だけの関係。
最近は私の財布から抜かれる紙幣を受け取ってはくれないけど―…
それでも、多くの支持を集めて成功していく世界で頂を目指そうとする悠馬には、
確かに私は邪魔な存在。
悠馬の身の上を知ってしまった今だからこそ、この関係に疑問を投げかけずにはいられない。
私だけの欲求の為に、悠馬に甘え続けていてもいいの?
って―…
「ねぇ、ゆうま……」
「何?」
「私たち、会うのをやめたほうがいいのかな……?」
「―…やめる?」
悠馬は私の身体から離れると、
「どうして、そんな事をいうの―…?」
そう私の背中に問いかけた。
「わたしは……悠馬に迷惑をかけているんじゃないかって……」
「迷惑な相手に会いに来たりしないよ」
「でも、何も役に立てない存在だわ……」
〝足枷しかならない”
柘植さんの言葉も思い出してしまう。
「俺は繭子さんを必要としているよ」
「―…」
「だから、会うのをやめたほうがいいなんて言葉、聞きたくない」
振り向くと、
悠馬は私の唇にキスをした。
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