24、ユスリ

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「今日はCMの撮影があるんだ」 「CM?すごい……」 「その外にも大きな仕事が幾つか決まりそうだって。事務所も今、俺に力を入れてくれているみたいだから、期待して貰えている内に懸命に頑張らないとね」 「―…」 〝頑張らないと” そう話してくれる悠馬は、とても憎しみや復讐の為に仕事をしているとは思えない。 希望や明るい夢を抱く眼差しに見えるのに、その奥にはまだ秘めた思惑があるの? 「繭子さんは頬、大丈夫?擦りむいたところもまだ痛む?」 「私はだいじょうぶ。頬っぺたももうそんなに腫れてもいないし……悠馬がよくしてくれたから落ち着けた……」 「また、しばらく仕事が忙しいけどなるべく連絡するから」 「うん。でも、そんなに心配しないで」 「心配するよ。帰りが遅くなる時は特に気を付けて」 「わかった……」 私のことだって、こんなに気づかってくれる。 「あの……悠馬……」 「繭子さん、御礼だったらもういらないよ。じゃあ、そろそろでるから」 紙幣だって、もう受け取ってはくれない。 私達の関係はこれから何処に向かっていくのだろう。
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