23、救イ

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「何……ですか……?これは……」 そう恐る恐るな口調ながらも尋ねると、覆面の男は持っていた紙をグシャグシャに丸めて、 「きゃ……っ」 私に投げつけると逃げていった。 「なん……だったの……?」 呆然と誰かが走って行ってしまった方向を見つめて呟いてしまう。 頬がじんじんして、身体も痛いけれども、それ以上は紙を投げつけられた位で乱暴な事はされなかった。 ほっとしてしまって、直ぐには立ち上がれない。 少ししてやっと傍に落ちた、投げつけられた紙を拾って震える手で広げる。 やっぱり、 〝ツキマトイヲヤメロ”〝アノ方ノ将来ヲ潰スナ” と書いてある。 〝アノ方”っていうのは―…やっぱり悠馬のこと? もしかして、この事も―… そう考えてしまうけど、直ぐに首を振ってそんな推測を中止する。 〝彼女”じゃないのか……って、思ってしまったけど証拠はない。 今、私を押し倒した誰かだって男性で間違いないと思うし、彼女―…深見さんを疑うのはまだ待ちたい。
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