24、ユスリ

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放課後―… 私は校内の見回りをする為に職員室を出た。 各教室を見ていって、特に異常がないことを確認する。 職員室に戻って授業で使うプリント作りや学級通信作りもしたいけど、確かまだ岬先生が残っていたな……と思うと、戻る気にはなれない。 少し休んでいこう。 そう思って、芸術棟の方向へと歩き出す。 ブラスバンド部の音は聞こえないし、美術部も今日は活動していないみたい。 非常階段で少し時間を潰そう。 放課後だし、あそこなら誰も来ない筈と思った。 けど、扉を開けると、 女性生徒の後ろ姿が見えた。 手には煙草を持っていて、煙が出てる。 「誰ですか……?!そこで喫煙をしているのは……!」 高校生が喫煙なんて絶対にいけないこと。直ぐに辞めさせなきゃ…… 「今すぐに火を消しなさい。謹慎処分に―…」 「謹慎処分がなに?」 「ふ、深見さ……ん……なの?」 「自分が担任している生徒の顔も忘れたの?バッカじゃない?」 煙草を持っていたのは深見さんだった。
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