24、ユスリ

10/11
前へ
/40ページ
次へ
「わるいこと……?」 「悠馬を独占しようとしているのに他の男にも手を出してる。大人しそうな顔して、将来有望な年下を騙して食い物にしようとしてんでしょ?」 「そんな―…」 「だから罰が下るんですよ」 「罰……?」 「昨日は無事に帰れましたか?」 昨日……って―… 「深見さん……あなたまさか……」 「〝まさか”何ですか?何かまた疑われてるんですか、あたし」 じっと深見さんが私を見てる。 挑発的な視線を感じる。 それに応じてしまっては駄目…… 「何でもないです。煙草は私が始末をしておくので深見さんはもう帰宅して下さい」 下校するようにと促した。 けど、 「椎原先生ももう帰るんですか?」 「わたしは……今日はまだ……」 「じゃあ、学校を出る頃には日が沈んでるかもしれませんね。暗闇の一人歩きはくれぐれも気を付けて下さい」 「……っ」 「あ、そういえば眼鏡、変えました?」 深見さんはまた、じわじわと私を追い詰めるかのように言葉をぶつけてくる。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加