25、駆ケ引キ

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「これはとある週刊誌の編集部に持ち込まれた物です」 「週刊誌―…?持ち込まれたって……誰が……っ」 「持ち込んだ人物までは明らかにはされていません」 「じゃあ……どうして柘植さんが……??」 「彼に関する記事は事前にうちに上げるように伝えてあるんです」 悠馬に関する事が記事になる前に、柘植さんの所に報告が行くということ……? 「で、でも、不自然に思われるんじゃないんですか……?」 「いいえ。彼をCMなどに起用予定だとか、そういった根回しを水面下でしておけば不自然なことではありません。広告も多く出しているので色々と話が通りやすいんです」 スポンサーとしての力がある……っていう事だと思う。 「私は……どうすればいいんですか?」 柘植さんがわざわざ、私に知らせてくれた理由は決して親切心からのものじゃない筈。 思惑は何―…? 緊張を感じながら私は柘植さんを見る。
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