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けどもし、またこんな事が続いたら―…
それを防ぐ為に私がどうすればいいのかを考えると、涙は止まってくれるどころかまた溢れ出す。俯くと、
「―…っ」
また零れた涙を拭った時だった。
「繭子さん―…っ!」
私の名前を大きく呼ぶ声が聞こえて、顔を上げると、
「繭子さん!?どうしてこんな場所に―…」
血相を変えて私に駆け寄ってくれる悠馬がいた。
「ゆうま……」
良かった。やっぱり悠馬……
でも、
「どうして……ここに……?」
「繭子さんのマンションに着く直前にタクシーの中から電話をかけたんだ。そうしたら繭子さんの声が聞こえたのに激しい音が聞こえて不通になって―…それで慌てて……」
「わたしをさがしに来てくれたの……?」
「当たり前だろう!?何があったんだ……!?」
「なに、が―…」
何があったのだろう……
まさか悠馬が私を見つけてくれるなんて思わなかったから、驚いて一瞬飛んでいた。
ましてや、こんな通りの奥にいる私を見つけてくれるなんて……
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