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すると柘植さんは、
「繭子さんがこれを買い取りませんか?」
そう私に言った。
「買い取……る……?」
「勿論、あちら側と交渉するのはこちら側ですし、買取と言っても金銭のやり取りを言っているわけもありません」
「けど―…無償というわけでもないんですよね……?」
「察して頂けているなら話は早いです」
じゃあ、金銭ではなければ一体どんな交換条件があるの?
考えれば考えるほど嫌なことしか浮かんでくれない。
「あなたが僕の所に来てくだされば全て円滑に進みます」
「それは……先日お断りさせて頂いたはずです……」
「一度断られたからと言って諦めていては本当に欲しいものは手に入りません。繭子さん、僕の傍にいる道を選んではくれませんか?」
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