23、救イ

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「一度家に帰ったら、俺が何か買いに出るよ」 「悠馬はまだ食べていないの……?」 「ケータリングを食べたから俺は大丈夫。けど、繭子さんはまだなんだよね?」 「まだだけど―…食欲がなくなっちゃって……」 「じゃあ、お腹が空いたら言って。その時は俺が買ってくるから」 「―…ありがとう」 それからも私は月明かりのない夜空の下、マンションまで悠馬に支えてもらいながら歩いた。 人工的な明かりは、あっちでこっちで点いたり消えたりしている。 私の部屋には悠馬の手で明かりが灯された。 「まず、頬を冷やすね」 悠馬はキッチンに行くとビニール袋に氷を入れて、それをハンカチでくるんで私の頬に当ててくれる。 「痛い?」 「少し……」 でも、本当に少しだけ。 痛みよりもずっと、悠馬の優しさを感じてる。 あなたが女性を扱う上で優しいのは知ってる。 だけど、近頃の優しさは、また違う温もりのある優しさを感じてしまう。
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