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23、救イ
〝助けて”
〝悠馬―…っ!”
もう強く瞳をつぶることしか出来ない。
私はこのままどうなるんだろう。
怖い……
怖い―…!
いきなり口を塞がれ、暗い場所に連れてこられ、押さえつけられ―…
恐怖心から涙まで溢れ頬に伝った時、
「―…?」
なに……?と思った。
身体に覆いかぶさられたままではあるけど、私を押さえつけている力が弱まった。
おそるおそる瞳を開けてみると、目の前には黒い覆面を被った誰かが見えた。
体格からして、やっぱり男性だとは思う。
そして、その誰かは、仰向けになる私に向かって何かを見せている。
「……?」
紙……?
何か文字が書いてある。
暗がりでよく見えないけれども、よく目を凝らすと徐々に慣れてきて、
「やめ……ろ?」
〝ツキマトイヲヤメロ”
「しょうらい……を―…」
〝アノ方ノ将来ヲ潰スナ”
そんな文字が並んでた。
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