1日目

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少女は目を開けた。 目の前には、見慣れたはずの白い部屋ではなく、知らない外の世界だった。 少女はパジャマではなく、制服を着ている。 状況が読めず、少女は目をパチクリしていた。 「早くしないと遅れるよ」 後ろから聞いたことのある声がした。 振り向くと、昨夜の少年がいた。 制服を着こなしている。 「えっと、あの・・・。 どういう・・・?」 「とりあえず、行くぞ」 少年は少女の手をとって歩いた。 少女はびっくりしたが、嫌な気分はしなかった。 「君が言ったんだろ? 恋人が欲しいって」 少女は納得した。 しかし、ここがどこなのか未だに分からず。 「ねぇ、ここはどこ?」 「ここは、君の夢さ。 君が学校に行きたいって言ったから僕が見せている。 この世界では、僕と君は同じ学校の高校二年生で、半年ほど前から付き合い始めたって事になってる」 「やっぱり優しいね」 「優しいと言ったり意地悪と言ったり。 一体どっちなんだ?」 「うーん、両方かな?」 「本当に君はすごいな。 死神相手にこれだけ言うとは」 話している内に学校に着いていた。 「僕が知っている学校をモチーフにした。 雰囲気も知っている限りだ」
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