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少女は、キョロキョロしながら歩く。
「大きいのね」
少女は感想を1つこぼす。
「まぁ、僕が観てきたものだけだから良くないものが多いかもね」
「良くないもの?」
少女は、少年に聞き返した。
「ずっと病院にいた君は、綺麗な世界しか知らないだろ?
世の中は汚い世界もあるのさ」
「どういうこと?」
「いじめとかが代表かな」
少女は首を傾げる。
「いじめって何?」
「予想通りそこからか」
少女は、物心ついた時から病院にいた。
この世界のことを何も知らずに生きていたのだ。
「いじめっていうのは人の嫌がることをする人・・・かな」
「・・・?」
少女はまた首を傾げる。
「やっぱり難しいなぁ」
少年は、頭を掻きながら笑った。
「実際に見た方が早いかもしれない。
初めての君には、少し刺激が強いかもね」
少女は、意味が分からず、とりあえず頷いた。
「いじめにも色々あるんだ。
まぁ、大方はこんなのだと思うけど」
少年が少女を連れて行ったのは人気のない体育館裏。
誰もいないはずのそこに声が聞こえた。
「おら!」
「おい、こいつまじ泣きしてんぞ」
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