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「ところで、安藤君はどうしてここにいるの?」
「歴史の先生に頼まれて……あれ?」
安藤君は自分の手を見た後、辺りを見回した。
さっきから、キョロキョロしてるな。
香ちゃんが言うように、仕草が可愛い。
「あった」
安藤君は、床に放り出されていた2冊の本を拾い上げた。
それは年表と便覧だった。
「これを返してくるように頼まれたんです。
僕、今日は日直なので」
「アハハ、同じだね。
私も日直で、世界地図を頼まれの」
特別棟の3階っていう不便な所に準備室があるため、先生は返却は必ずというほど生徒に頼むんだ。
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