4人が本棚に入れています
本棚に追加
「は、はい。初めての体験なのに、
すでに経験したように感じること、ですよね」
「ご名答。その反対の言葉があるんだ。時野深紅さん、わかるかな?」
「えっと……」
うわ……こういう時なんて答えればいいんだろう。
壁に目をそらし、考えてみる。
焦るほどに雑念がチラつくのは、
この壁いちめん絵画のように展示してある時計のせいかな。
部屋全体が、ダークなセピア色でまとめられた社内は、まるでアンティークな時計屋さんのようだわ。
最初のコメントを投稿しよう!