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~慶介視点で物語が進みます。~
僕は、朝が嫌いだ。朝が怖い。目を覚ましてしまった時、あぁ、僕はまだ生きているんだと、自覚してしまうから。
二階にある自室から一階にあるリビングに降りてきても、部屋は電気も、カーテンも開けておらずそこはただ自分しかいない空間にも思える。が、そこには自分だけではなく血は繋がってはいないといえど母親の麻子さんがいる。
「麻子さん。おはようございます」
僕がそう声をかけても、麻子さんはまともに返事をしてくれたことはない。恐らく、いや、確実に僕のことが嫌いなのだろう。
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