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不覚だったのか、不学だったのか。
いや、そうじゃない。
多分あの人を知ってしまったのが私の人生の最大の間違いだった。
私は盲目的に信じていたんだ。
この国ではあの人みたいな人はいなくて、名前や性別を知っているだけであの人のように悪用できる人が存在するなんて、知らなかったんだ。
私は私の知らないところで、有名になってしまった。エリナと検索すればそれはごまんと出てくるだろう。
しかしその中に狂気じみた変態が私を追いかけてくる小説が必ずヒットするのである。集合意識の中に紛れ込んだかすかなバグ。目障り。
返信の手紙を記したにもかかわらず、あの人はこちらへゆっくりと歩みを進めてくる。私の後ろは壁、もうこれ以上退がれない。
どうしよう。
また殺そうか。
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