第1話 セカンドタウン

3/7
前へ
/154ページ
次へ
  (あっここ宿かな) 見つけたお店から少し歩いた所に宿を見つけた。名前はカーネイ。 ナギは少しの間その宿を見上げると中へと入った。 「いらっしゃいませ」 中へ入ると濃い赤い絨毯が敷き詰められたロビー。右手側には座って待って居られる様にソファーや椅子、長机が置かれている。 そして、受付には微笑みを湛える優しそうな男性が居た。 「あの、部屋って空いていますか?」 「はい、一部屋空いております ご宿泊でよろしいですか?」 「はい」 ナギが頷くと男は名簿を取り出し、料金などの説明をした後に、サインを求めました。 「これで、いいですか?」 「はい、ありがとうございます それでは、ご案内致します」 頷き名簿を下げると男は受付から出てきた。そして、スッと右手を案内する方へ出し「こちらです」と言ってナギを案内した。 「ここがナギ様のお部屋になります ごゆっくりおくつろぎ下さい」 「ありがとうございます」 ナギが笑みを浮かべてお礼を述べると男はニコリと笑ってお辞儀をすると去って行った。 部屋を見るとベッドが1つ、ソファーの様な椅子が2脚に丸机が1脚、洗面台とお風呂が一緒のユニットバス、そしてトイレ。豪華とは言い難いが、それでも広さはあるし1人で泊まるには申し分なく思える。 (やっぱり夕食には間に合わなかったなぁ) ふぅ…と息を吐きボフッと椅子に座る。 先程の説明後に夕食の事を聞いたが、既にオーダー時間が過ぎていて用意が出来ないとの事だった。 (少し休憩したらあのお店に行こうか いや、休憩してたら多分動けなくなるな) いくら20歳と言えど、山を越えて来た疲労はなかなかのもので、座っているだけでも体が動きたくないと悲鳴をあげていた。 しかし、空腹には勝てずのろのろと立ち上がりお店へと向う事にした。  
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加