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「ほ、本当に大丈夫ですよ!」
「そうか?ありがとな」
申し訳なさそうにするマスターに慌てて眉根を上げて笑って言うとマスターの顔も穏やかになった。
「あの、溺愛中って?」
「ああ、あの子供はな
リナが夕方頃に拾って来たんだ
あっリナっつーのはあのウェイトレスな
店の近くに行き倒れて居たらしい
さっきまで寝てたんだが、起きてからと言うもの…ずっとあんな感じで構っててな
まぁ一応仕事はしてくれるんだけど…
凄く可愛いんだとさ」
「そうなんですか」
マスターの口から可愛いと言う単語が出て来るのはなんだか変な感じだな。
そう思いながら再びテーブルの方へと目線を向ける。
相変わらずニコニコと子供らしい笑みを浮かべながら男の子はハンバーグを食べて居た。
すると、こちらの視線に気が付いたのか男の子がナギの方を見た。
「っ!?」
瞬間、ナギはバッと顔を背けた。特に何かがあった訳でもないが、何故か心臓がドキドキとして居た。
「大丈夫か?」
「は、はい…」
「あの子供、結構目敏いからな
あんまりジロジロ見ん方がいいぞ
他のお客さんもすぐ目が合ってた」
「…そうなんですか」
そう言う事は先に言ってて欲しい…。
そう思ったがとりあえず今は晩ご飯が食べたいので、ナギは注文をした。
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