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「俺はMじゃありません。でも、最近・・・。」 「最近?」 「・・・」  春樹の言わんとする事が何となく分った。 「ふふっ。最近、何?」  ちょっと意地悪く尋ねてみた。すると、春樹は更に睨みつける。  たぶん、自分がMかもしれないと思い始めているとでも言いたいのだろう。  俺はそんな春樹が可愛くてしょうがない。俺は答えを待たず、腰を激しくスライドした。 「んっ、んんっ」  春樹は容赦なく突き上げられているにも関わらず、苦痛よりも快感の呻きを漏らした。  激しく揺さぶられ、切っ先からは蜜が飛び散っている。昼間の日差しが飛び散った蜜に反射し、まるで宝石を散りばめたかのようだ。 「智樹さん・・・もう・・・イクッ。」  宙に投げ出されていた春樹のすらりとした脚が、俺の腰に絡みつく。 「まだだ。」  俺は咄嗟に春樹の今にも弾けそうに昂った付け根を握り締めた。 「嘘!!智樹さん、いかせて!!くっ・・・んっ・・・んぁあー。」  春樹の限界に合せて俺も熱い昂りを弾けさせた。  息が整わず開いた赤い唇や潤んだ瞳。まるで薔薇の花びらや宝石に彩られたような肢体は美しく卑猥だ。  春樹の中は絶頂をむかえたにも関わらず、襞がうねり俺を絡め取る。俺も弾けたばかりだというのに、もう硬度を高めていた。 「春樹。ベッドへ行こう。」  未だ荒い呼吸のまま意識朦朧としている春樹の耳元で囁く。  春樹はコクンと頷いたが、たぶん理解できていないだろう。この後、数時間は快楽の海に身を投じ、漂い続ける事を・・・。
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