【まさに悪魔】

3/4
前へ
/5ページ
次へ
「もしかして…本物の悪魔??」 『うむ。私は本物だぞ』 マ、マジか…。 『お前の願いを申してみろ。一つだけ叶えてやろう』 「う~ん」 俺は少し考えた末… 一つのお願い事をしてみた。 「あのー。 今、『花粉症』『オークション』『ニュース』『占い』の四つのお題全てを使って短編小説を書いてるんですけど、全く書けなくて…。代わりに書いてくれませんか?」 (よく考えたら、悪魔に『コンテストに優勝させて下さい』と願った方が手っ取り早かったんだけど、テンパってて思い付かなかった…) 『よし。分かった。 それで…報酬の事なんだが』 「あ、悪魔が欲しがる報酬って、確か死んだ後に魂を貰うってヤツですよね?良いですよ。どうせ、死んだ後の話だし。俺は生きてるうちに小説で成功したいんです」 『いや…。 お前、まだ若いだろ。死んだ後の魂を貰うとなれば…私はこの先、何十年もの間、お前が死ぬまで待ってなきゃならん。だからどうだろう。今回の報酬はお前の寿命を先に一年だけ貰うって事で。確かに寿命は一年縮まるが、今日明日どうこうなるって訳じゃないぞ』 「え?」 俺は、カナリ迷ったが… 「分かりました。それで良いです」 と、思い切って了解した。 『よし。じゃあ少し待っておれよ…』 悪魔は、そう言うとブツブツと呪文らしきものを唱え始めた。 数秒後… 何と! パソコン横のプリンターが勝手に『ブゥーン』と作動し始めて! 一枚の紙を吐き出したのだ。 見てみると、そこにはこう書いてあった…。 ~~~~~~~~~~ 『R氏は、朝食の準備をしながら朝のニュース番組を見ていた。 アナウンサーがニュースを読み上げる。 「先日、発見されたダボンチの幻の名画が来週、いよいよオークションにかけられる事になり、相当の高値が付く事が予想されます」 「…幻の名画か…」 R氏は、ふと絵画が好きだった昔の恋人の事を思い出した。 「さて。花粉症の季節です。外出の際はマスクなどの対策を十分に行って下さい。それでは、今日の占いコーナーはCMの後で」 番組がCMに入った。 R氏は朝食を食べながら、昔の恋人の事を考え続けていた。 「彼女…元気にしてるかなぁ…」 R氏は… 久しぶりに彼女に会いたくなったのであった………。』
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加