そうだ、トーキョへいこう

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「全部フラれて、それでも懲りずに次々と違う男に告りまくってる。A組の方丈夕愛(ゆあ)は告り魔って言われてんの、知ってるか?」  ……全然知りませんでした……。 「お前っていったいなんなの? 男に飢えてんの?」 「……っ!」  でも、そう言われても仕方がないかも。確かに中学三年間の間に十三人も断られるって……多すぎ。 「なのにお前、夏に二中の神田って奴に付き合ってくれって言われて断っただろ。俺、塾で一緒なんだけど」 「あ、あの人は……、だって全然知らない人だったし」 「は? 男なら誰でもいいんじゃねぇの」  毛虫でも見るような木下君の視線が、あたしの心臓をギュッと握りつぶす。 「そんな……それ、ひどくない……?」 「バーカ、ひどい目にあったのはその神田だよ。『告り魔に拒否られるって神! 近づくと失恋する』とか女子が騒ぎ出して、一時期超ハブられてたらしいぜ。可哀相だと思わないのか」  うん、思う。あたしのせいでそんな……え、それってあたしのせいなの? 「とにかく、俺は男好きの告り魔と付き合うとか全っ然ムリだから。しかも十番目以下って、マジ馬鹿にすんなって感じ」
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