366人が本棚に入れています
本棚に追加
「全部フラれて、それでも懲りずに次々と違う男に告りまくってる。A組の方丈夕愛(ゆあ)は告り魔って言われてんの、知ってるか?」
……全然知りませんでした……。
「お前っていったいなんなの? 男に飢えてんの?」
「……っ!」
でも、そう言われても仕方がないかも。確かに中学三年間の間に十三人も断られるって……多すぎ。
「なのにお前、夏に二中の神田って奴に付き合ってくれって言われて断っただろ。俺、塾で一緒なんだけど」
「あ、あの人は……、だって全然知らない人だったし」
「は? 男なら誰でもいいんじゃねぇの」
毛虫でも見るような木下君の視線が、あたしの心臓をギュッと握りつぶす。
「そんな……それ、ひどくない……?」
「バーカ、ひどい目にあったのはその神田だよ。『告り魔に拒否られるって神! 近づくと失恋する』とか女子が騒ぎ出して、一時期超ハブられてたらしいぜ。可哀相だと思わないのか」
うん、思う。あたしのせいでそんな……え、それってあたしのせいなの?
「とにかく、俺は男好きの告り魔と付き合うとか全っ然ムリだから。しかも十番目以下って、マジ馬鹿にすんなって感じ」
最初のコメントを投稿しよう!