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月のきれいな夜。
あたしはとなりで寝ている姉さんたちを起こそうと、四角い石版をノックした。
「早く出てきなよ。いい月夜だよ」
月の明かりの下にぬっと現れたのは青白い肌。
もう半分の暗がりには大きなギョロ目に骨と皮ばかりの顔。あたしとよく似ている顔が二つ出てきた。
この二人があたしの姉さんだ。
「あーあ、一週間ちかく寝てたから体がボッキボキ。あっ、大腿骨が裏っ返しになってたみたい。どうりで後ろに歩いちゃうわけだわ」
両手で自分の足をねじるようにしてなおしながらシナー姉さんが言った。
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