第1章

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月のきれいな夜。  あたしはとなりで寝ている姉さんたちを起こそうと、四角い石版をノックした。 「早く出てきなよ。いい月夜だよ」  月の明かりの下にぬっと現れたのは青白い肌。  もう半分の暗がりには大きなギョロ目に骨と皮ばかりの顔。あたしとよく似ている顔が二つ出てきた。  この二人があたしの姉さんだ。 「あーあ、一週間ちかく寝てたから体がボッキボキ。あっ、大腿骨が裏っ返しになってたみたい。どうりで後ろに歩いちゃうわけだわ」  両手で自分の足をねじるようにしてなおしながらシナー姉さんが言った。
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