第1章

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 わたしのおでこに一つの滴が降ってきた。  その後で、引っ張りあげられてもらったとき、大粒の雨がわたしと王さまをぬらしていた。  だけど、きっと最初の一滴はブルーサファイアの涙だったんじゃないかな。  とても短い通り雨だった。  わたしと王さまがびっしょりになった後には、青空になって白い雲の間から太陽が笑い出した。 「うふふふっ」  いつのまにか、わたしは太陽といっしょに笑っていた。 「うさぎの娘よ、何故、笑っている?」  王さまがふしぎそうにわたしを見つめた。 「決めたの。わたし、小学生やめて王さまのうさぎのピエロになる。わたしがいるよ、王さま。わたしが王さまのうさぎになる。王さまをずっと楽しませるよ。それで、もし楽しくなかったとしても……。そうだとしてもわたしは死なないよ」  わたしは死なないうさぎのピエロです。  だって、王さまに悲しい顔をさせたくないから。 「ずっと王さまを楽しませつづけるよ」  その言葉を証明するように私は笑った。 「誓うのか?」 「ううん、約束だよ。約束」  今度の約束はぜったいに。きっと……。
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