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気を取り直して再び机に向かいましたが、さっきまでにらめっこをしていた問題用紙も解答用紙も、そこにはもうありません。
やれやれ、まったく、馬鹿なことだ。
自嘲気味に笑みを溢すと、その日はもう、休むことにしたのです。
ところが。
眠ろうとベッドに身体を横たえ目を瞑るのですが、先ほど平らげた問題用紙、解答用紙の内容が、頭に浮かんでなかなか寝付けません。
可笑しなことをしたせいで、身体を休めることも難しい。やれやれ…おや?
男は跳ね起きました。
自分の頭の中に、あんなに苦戦した数学の証明も、何度も何度も読み返さなくてはならなかった英語の長文も、問題の一問一問までなにもかも、一言一句はっきりと、頭に焼き付いているのです。
まさか。
男は頭に焼き付いたそれを、片っ端から夢中で唱えました。
何度も、何度も。
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