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凄く、あったかい……
彼の……
さとるくんの腕に、抱かれてるときみたい……
『あきなさん』
あの柔らかな声が呼ぶ私の名前を、耳から吹き込まれたときみたいに、
優しい音が心をふわふわと……和めてくれる……
ずっと、ずっと、この温かさに包まれていたい……
もう、……離れたく、ない……
「……」
ほわりとした空気が頬を撫でると、心地の好い気だるさとともに、……さとるくんの匂いが、鼻を掠めた……
……気がした。
「……」
消えてしまいそうになった彼のかすかな気配を確かなものにしたくて、鈍い感覚を無理矢理研ぎ澄ませると、
……自然と開けてくる視界に、自分が目を閉じていたのだと気がついた。
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