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「さっきからなんだこのうさぎは! 陛下の言うことなすことに文句をつけおって! あげくに適当に無罪にしろと!? このうさぎこそ、処刑すべきだ!」
「そんなぁ」
うさぎのピエロは首をすくめて、裁判長を見上げた。
裁判長の頭は真っ赤っか。立ち上る湯気が見えるようだ。
そのとき、また大きなあくびが聞こえた。
「……今日の裁判はおしまいだ」
王さまはマントをひるがえして立ち上がる。
「つまらん。被告をエスカレーターにしたのが失敗だった。今日はもう寝る」
「へ、陛下、そんなことは!」
「次の被告は、余の舌を火傷させたクリームシチューにしよう。余がクリームシチューを有罪にする。さぁうさぎ。昼寝の時間だ」
「はぁい!」
ぴょこぴょこと飛び跳ねてうさぎのピエロが王さまの後に続く。
「被告人、無罪! エスカレーター処刑裁判、これにて終了!」
ぱちぱちと拍手がわきおこる中を、あくびをして眠そうな王さまと楽しそうに追いかけるうさぎが退場して行った。
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