7月

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「木下さん。何があったのか教えてくれる? 犯人をこのまま反省室に入れる訳にはいかない。 すぐに先生に連絡するから」 後ろを向いたまま、木下さんに話しかける。 「……わからないの…… 朝起きたら、服が脱がされていて…… でも、そんな事をされた記憶もないの」 私と佐々木さんは思わず振り返って、木下さんを見た。 覚えもないのに、服が脱がされていたなんて、そんな事があるの? 「怪我もしてないようね。 身体に何か違和感がある?」 佐々木さんが、木下さんの身体をじっと見ながら話しかけた。 木下さんは泣くのをやめ、自分の身体を見ている。 「違和感?ないよ」 「良かった。襲われた訳じゃないのね」
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