7月

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「私……わからない…… 誰がこんな事を……」 木下さんは、また目に涙を浮かべている。 隼人君じゃなかったら里中君しかいない。 だけど、本当に里中君なの? 口に出していいのか不安がよぎる。 「里中君しかいないはず。 先生に連絡を取った方がいいと思う」 佐々木さんがはっきりと言った。 その時、ドンドン とドアを叩く音が聞こえてきた。 「俺じゃない! 俺は何もしてない!」 里中君の声が聞こえる。 木下さんは怯えて、耳を両手で塞いでいる。 「私、聞いてくるから待ってて」 廊下には隼人君もいる。 まだ里中君が犯人と決まった訳じゃない。 はっきり聞かなくては。
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