7月

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「みんなが信じてくれたから、反省室に入れた。 ありがとう。 俺も、何があっても決して疑わないから」 「うん。みんな仲間だから。 お互いに信じ合おう」 私が言うとみんなが頷いてくれた。 こうして4人の意見がまとまった時、木下さんがゆっくりと布団から出てきた。 「私も信じるから。 里中君、疑ってごめん」 恥ずかしそうに下を向きながら話す木下さん。 里中君は顔がパッと明るくなって、木下さんの手を握ろうと手を伸ばす。 「いや!」 木下さんがさっと手を引っ込めると、里中君は気まずそうに手をポケットに入れた。 「あっ、ごめんなさい。 そんなつもりじゃ…… 思い出したら、触れられるのが怖くて、つい」
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