7月

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だめだ。誰も助けてくれない。 このままだと隼人君になってしまう。 「隼人君はテストも100番以内だったし、イス取りゲームでも本当はイスを取れてた。 これ以上隼人君に負担をかけたくない。 今回だけは私に残らせて!」 必死で隼人君に訴える。 「梨沙ちゃん、女の子を1人にさせるなんて出来る訳ないだろ。 俺に任せろ」 いくら訴えても隼人君は聞いてくれない。 みんな聞いているはずなのに、誰も何も言わない。 「さあ、決まったら勉強やろうぜ!」 隼人君が明るく言うほどつらくなる。 「ごめんなさい」 木下さんが呟いているのが聞こえた。 きっと、みんな気持ちは一緒なんだろう。
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