7月

110/138
前へ
/1040ページ
次へ
私は、食べようと箸を動かすけど、喉を通らない。 涙が溢れそうになるのを必死で我慢していた。 私が泣けば、隼人君をもっと苦しめるから。 1時半過ぎから、ずっと時計を見ていた。 秒針の音がまるで死刑台への足音のように聞こえ、頭の中に、隼人君が1人寂しく反省室にいる映像が浮かぶ。 隼人君の顔を見ることが出来ない。 「後3日間反省室で過ごす幸せな人は決まったかね?」 ちょうど2時に放送が聞こえてきた。 「俺です」 隼人君が手を挙げる。 「山口隼人か。 テストで100番以内だった君が反省室に残るのはおかしいだろう。 そんな事さえわからないとは…… 君たち、仲間として最低だね。 山口を除いた4人は別々の部屋で監禁する事とする。 すぐに教師が行くから、そのまま待機しなさい」
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2410人が本棚に入れています
本棚に追加