7月

115/138
前へ
/1040ページ
次へ
教頭先生の足音が離れていったのを確認して、隣の佐々木さんの部屋との壁をノックする。 「佐々木さん。聞こえる?」 少しすると、佐々木さんの声が聞こえてきた。 「聞こえます」 「良かった! こうやって話せるなら、1人きりじゃないね」 嬉しくて、里中君側の壁もノックして話しかけた。 「聞こえる。 これなら、3日間乗り切れそうだ。 木下さんにも伝えるよ」 「お願いね。 木下さんが1番泣いてたから心配なの」 「わかった」 里中君は返事をすると、木下さん側の壁に移動したみたい。 これで、さみしくなったら話せる事がわかった。 少し安心したと同時に、もう2度とこんな目にあいたくないと思う。
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2410人が本棚に入れています
本棚に追加