7月

117/138
前へ
/1040ページ
次へ
いつもなら美味しいと思う夕食の豚の生姜焼き、味を感じられずただ口に流し込むだけだった。 両隣から聞こえてくる音で、壊れそうになる心をなんとか押しとどめている。 1人で布団をひいて、佐々木さんと里中君の部屋にノックをして、おやすみを言う。 布団に入っても、なかなか寝つけない。 一体何時間が過ぎたのだろう。 佐々木さんの悲鳴で目が覚めた。 佐々木さん側の壁をドンドンと叩く。 「佐々木さん、何があったの?」 何度も声をかけるけど、佐々木さんの部屋からは、悲鳴だけが聞こえてくる。 佐々木さんを助けないと。 ドアを開けようとしたけど、ドアには鍵がかかっている。
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2410人が本棚に入れています
本棚に追加