7月

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「諏訪さん、大丈夫?」 佐々木さんが声をかけてくれる。 だけど、私は返事も出来ない程の恐怖に襲われていた。 この前、理科室で加藤君に暴行されそうになった事を思い出す。 絶対嫌…… 隼人君、助けて!」 目の前にいない隼人君に呼びかけた。 「梨沙ちゃんは俺が守るから」 隼人君の声が聞こえる。 これはただの幻聴。 テーブルの上に準備された朝食、全てに薬が入っているように思える。 1日何も食べず飲まずとはいかない。 それなら、朝ご飯と昼ご飯は食べるべき。 木下さんも佐々木さんも、夜に誰かが部屋に入ってきたんだから。 そう思っても食べられない。飲めない。
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