月日は誰をも変えるのにゃん!

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「アタシが生まれた時には、もうミアンは精霊の間に居たのよね」 「そうにゃよ。イオラにゃんと一緒ににゃ。  いつ生まれるかぁ、いつ生まれるかぁ、って待っていたのにゃん」 「種から飛び出してさ。初めて逢った時のミアンを今でも覚えているわん。  ふぅ。あれから200年後……かぁ」 「どうしたのにゃ? ミーにゃん」 「ミアンは太ったわん」 「にゃんと!」 「ついでにアタシも」 「まぁにゃ」 「あれっ? そこは否定するところだわん」 「ミアンったら、全くもう!  ……そういえば、日記をつけていた気が。  アタシって、どんなことをを書いてたっけぇ。ええと……」  ぺらぺらっ。ぺらぺらっ。 「アタシが種から飛び出したのは……、ふむふむ。およそ二百年前かぁ。  間違っていないわん。で、それからそれから……うん?  あれから50年後、 ミアンは、太った。  あれから100年後、ミアンは、また太った。  あれから150年後、ミアンは、またまた太った。  そして今。  あれから200年後、ミアンは、またまたまた太った。  ……なんなの、これ。アタシの日記なのに、どうしてミアンのことばっか」  じろり。  ぱくぱくっ。ぱくぱくっ。 「どうしたのにゃ? ミーにゃん。そんにゃにウチをじろじろ見て。  ひょっとして、ミーにゃんもこのケーキが食べたいのにゃん? にゃら」 「ううん。別に要らないわん」 「おかしにゃミーにゃん。  いつもにゃら、『頂くわん!』って真っ先に飛びついてくるのにぃ」 「そ、そんなことないわん」 「本当、今日のミーにゃんはおかしいのにゃ。……そういえば、にゃんにゃにゃあ」 「ど、どうしたわん?」 「ミーにゃんも二百年前に較べると、見違えるほど、太ったにゃあ。  めでたいことにゃん。にゃっはっはっはっ!」 「う、うるさぁい! 一体誰のせいと思っているわぁぁん!」  はっ! 「もしかしたら……、あれって暗号みたいなものわん? 『アタシ』って書き残すのが、どうしても出来なかったから……、  それで代わりに『ミアン』って書いていたわん?  だとすると……ふふっ。いじらしい乙女心だわん」
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