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「銀行強盗でもしたか?」 「犯罪じゃねぇよ!! これだ、これ」  そう言い、陽希が見せたのは一枚の紙切れだった。 「宝くじ?」  陽希が持っていたのは、月の頭から大々的にテレビCMで告知していた、『HAPPYDream7』と言う宝くじだった。一等が7億円、二等が1億5000万円、三等が5500万円と言った分配だ。  7億という金額ともあり、かなり人気の宝くじである。くじの販売日には店先に行列ができ、買うのに3時間かかることもあった。 「そう、当たったんだ!」 「へぇ、良かったじゃないか。で、いくら当たったんだ?」 「へへ、聞いて驚くなよ? なんと、二等の1億5000万だぁ!!」 「良かったな、おめでとう」 「あ、あれ? 反応薄くない? こう、もうちょっとリアクションしてくれても…………」
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