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少年がくっと地面に膝を付く、少年の身体は辛そうだ。
「あ゛りがっと」
「ヴっ、早く用件を云え」
ゼッハァハァと少年の息遣いが荒い、得体の知れないモノはふわふわっとドス黒い靄の様なモノを噴射しながら、途切れとぎれのか弱い声を出す。
先程までの荒い凄まじい騒音ではなく、可憐な詩のような声を。
「おに…いちゃん、がこっちに…堕ちたと、言われて…さがしに、きた…の」
「…貴様の兄も煙々羅か」
コックリと少年が頷くのを見て、長い吐息を付き少年に向かって頭を下げる少年。
「すまない、勘違いをしていたな」
少年は謝罪された事に吃驚したのか、目を丸くして驚愕している。
そんな事には構わず、少年はパチンッと扇状を閉じる。
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