ひめなき城

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私たちは、あてなしのドライブに疲れて宿を探していた。 連休中のせいもあって、どこのホテルも一杯だった。 女二人の旅だから、あまり怪しい場所には泊まりたくという理由もあって、結局の車中泊。 先に目覚めたのは運転席の私だった。 「首、痛いなぁ……」 助手席のユミは、静かな寝息をたてている。 私はカップホルダーに収まっているペットボトルの緑茶に口をつける。 「ぬるいなぁ……。どっかで体伸ばしたい……」 そう呟いて、辺りの景色を見る。 「おお!」 私が声をあげたのは、昨夜は暗闇で見えなかった場所に風光明媚なお城を見つけたからだ。 「この辺にお城なんてあったんだ?ガイドブックにも載ってなかったのに……」
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