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ーーーうるせってチラっとみる
女の集団から4人位が近づいてきた
「今晩は~いい男が二人いるってきいてきたんだ 私達と飲まない?」
クスクス笑ってるが、何が可笑しいんだ?
つうか、『私達』何人いるんだ?
他に客もぽつぽついるが、こいつら15人はいるだろ……
無視しようとしたら、他の女が俺の肩に手をかけた
「ねえ、歳いくつ?アタシと同じ位かな?」
お前も未成年か?
「アンタ、いくつなの?」
つい、きいてしまった俺にソイツが
「21だよ?」
って、嬉しそうに答えてくる
俺………そんなにオッサンか?
へこむ俺に女達がまとわりついてきた
こいつら、リョウ君話しかけられねーから俺にターゲットしぼってる
あ~うぜ!!!
「ぷぷ………」
肩を揺すって笑うリョウ君
「ごめんね……?せっかくだけど
オレ達大事な話ししてるから」
クスクス笑うリョウ君に顔が赤くなる女達
スゲーな……
名残惜しそうに帰る女達
「みつお~まだまだガキだな…
お前、もう少し遊んだ方がいいぜ?
ま……高校受かったら色々連れてってやるよ」
うん、女遊びはしないけどね…
ショボくれる俺……
そんとき、テーブルに新しい瓶が置かれた
「これ、おごり 陵太、『いつもの』頼むよ」
マスターが、チラっと俺達を遠巻きにしている女達をみる
「いい男が今日は二人いるからな 商売に貢献しろ」
リョウ君は、面倒臭そうにしてたが立ち上がると
「んじゃ、『いつもの』でいい?そのかわり今日は奢りだぜ?」
リョウ君は店の埃臭いステージに歩いていった
慣れた手付きで、ギターをチューニングしマイクスタンドの前にある椅子にすわった
店内の照明が絞られ、小さなステージにスポットライトがつく
マスターがピアノにつくのが合図
ーーーーーー奇跡の歌声だった
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