シンデレラレッスン12

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勉強!勉強!!の夏休みが終わった あんなに楽しみにしていた『修学旅行』も 『運動会』もサクっと終わった 中間テストも終わって一週間が過ぎた バンバン戻ってくるテストの点数は微妙だった 平均68点………ってどうなの? 「『スズカゲ』は無理だが、『中央高校』は合格圏内だぞ~!倉田、男追いかけてないで現実みろ~!」 なにが可笑しいのかウヒャウヒャ笑う数学教師 くっそ~!悔しいが事実なので何を言えない みつお君をチラっとみるが、私の事なんて興味なさそうに隣の子と話している スズカゲ受験で周囲から風当たり強くなった  教師からのイヤミも多いけど、みつお君はいつも知らん顔! ちぇっ! いいもん!絶対受かってやるもん 青白い顔の数学教師をキッと睨む 受かって、その青白顔をもっと青くしてやるからね! だけど……正直  『受かる』のかなあって思っていた 放課後、みつお君は代表委員会 各委員会の委員長が話し合う会議 私は一人でグランドを歩いて陸上部を見ていた みつお君は三年生なので引退した 長距離で全国大会いけたが、自分は行かず他の部員に託して誰よりも早くに辞めたのだった 私の受験の為に……… 部員達をベンチで見ている哲っちゃんの隣に座る 「倉田?どうした?ブスッ面して……」 ―――――うっさいなあ!くちを尖らす 「みつお君、私の為に陸上辞めたんだよね…?」 哲っちゃんの切れ長の鋭い目が私を捕らえた 「お前………自意識過剰だな?『私の為』って……」 いたい子をみる目でみられた そう言われると恥ずかしくて顔が赤くなる 「だっだって、みつお君陸上部辞めたの私の受験の為でしょう?」 私の顔をジッとみてる哲っちゃん 「みつお君は毎日忙しいのに、勉強教えてくれてるけど私……成績良くなんない! スズカゲ落ちたら…私のせいで家出る事になっちゃう……私のせいでみつお君の人生狂わせちゃうよ!?」 「つまり、お前は自信がないんだな?」 私の頭を撫でる哲っちゃん 「いいぜ?辞めなよスズカゲ 今のお前なら中央入れるしな~… 神宮寺が、陸上辞めようが大工なろうが決めたのはアイツだ アイツの人生まで心配する事ないんだぜ? 倉田が、スズカゲ受験したのは制服が可愛い事と、行ける高校なかったからだろ? 神宮寺には、オレからいってやるよ?」
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