シンデレラレッスン12

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―――帰りの車中では後部座席に押し込まれ 助手席のユキさんに甘い空気を出す  『体育教師』哲っちゃん……   センセ~?私まだいるんだけど? 最近のリョウ君といい、哲っちゃんといい受験生の前でフェロモン出しすぎじゃない? ーーー何なんだ?男の人って……?雰囲気をすぐ変えてしまう ――――――倉田家に到着し、みつお君を呼ぶと  「「「 !? 」」」 ぎらぎらした三角帽子をかぶり  『私が主役です』のタスキを掛けた無表情のみつお君……… 「これ、取ったら俺リョウ君に殺されるらしい…… ……………………罰ゲーム?」   「「「……………………………」」」 哲っちゃんが何もツッコミをいれず、ユキさんを促す   訝しい顔したみつお君 「み、光雄さん?誕生日おめでとうございます」 真っ赤な顔のユキさんが紙袋を渡した 「これ、私が焼きました光雄さんの好きなチョコケーキです」 キョトンとした顔のみつお君 「……………ありがとう」 あっさり受けとった 嬉しそうなユキさんが、白い封筒を渡す 「これは………奥様からです『行かなくなったから光雄さんに渡して』と頼まれました お正月旅行のチケットです  倉田様の奥様は…光雄さんの生活費を受けとって下さいませんでした これは………奥様の『倉田御家族様』の感謝の気持ちだと思います  受けとって下さいませんか?」 黙って中を確認するみつお君 緊張してみているユキさんの肩に手を乗せる哲っちゃん… 二人を、チラッと見た後 「わかった………貰っておくよ」 と深いため息をつくみつお君… ホッとするユキさんの手を自分の手に絡ませて 「神宮寺~?この人連れてくからなあ~」 意味深に言う哲っちゃんに苦笑するみつお君 「先生、お手柔らかにね?ユキさん俺一筋だったから他の『男』知らないからさ?」 『ミ、ミツオさん~?』赤くなり、青くなり、紫色の顔色のユキさん 「オマエよりは、優しいぜ?オレは……じゃあな」 哲っちゃんサンタクロースが ユキさんをさらっていってしまった…… 見送るみつお君の手をぎゅって握りしめた 寂しさが、少しは紛れます様に…………………………
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