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――――――――――それでも
公立高校の受験が終わり、私立受験もほぼ終わり初めた頃は 不安で仕方なかった
『スズカゲ』は受験というより編入テスト
その日は三月入ってからなので、これに落ちたら私は行く高校がない
………お母さん、高校行けなかったら働けっていってたなあ
みつお君、私落ちたら大工になるっていってたし
春になったら二人供社会人?の可能性あるよね
落ち着かない気持ちで、リビングに行くとお父さんがテレビ見ていた
みつお君は、最近は自宅に戻る事も多くなった
私には『身体の調子を整えておく事』といって勉強は教えてくれなくなった
あ~不安だわ~
「美依?さっきからため息多いな……」
お父さんが肩を抱いてくれる
「お父さん、みつお君は私落ちたら大工になるのかなあ?」
クスッと笑うお父さん
「みつおが『大工さん』になったら日本は大変だなあ~…」
テレビのニュースを見ながら
「この会社『神宮寺グループ』の子会社なんだけど経営赤字が続いていて、数年後
には倒産といわれてる 他にも危ない会社がいくつもある 神宮寺グループは業務拡大し過ぎて収集がつかなくなってる状態なんだよ今………」
「ええ!みつお君大丈夫なの?」
「みつおのお父さんの会社の方は順調だけど、倒産が続いていけば多少影響はあるだろうな だから、神宮寺グループは『15才の天才少年』を次期総帥に据えた
まだ公にされてはいないけど、それだけでインパクトとカリスマ性を与えているのが『お前のみつお君』なんだよ?」
「え………………………?
みつお君が可愛そうだよ!ずっと親からほっとかれたのに『飾り』じゃん!!
まだ、中学生なのに!」
「そうだな……一緒に暮らす事になって
アイツの事が本当に可愛くて自分の息子みたいに思える事もあるけどな………………」
…………お父さん?なんで?
切ない目をして私を見つめている
「美依、お父さんは二人の『お付きあい』反対なんだよ」
深いため息をするお父さん
「いや『反対』なんじゃない『不安』なんだよ」
―――――――――――え?どうして
そんな事言うの?
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