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「…………みつお君」
みつお君が私の涙を親指でぬぐってくれた
「みいじゃないと駄目なんです……」
お父さんは深いため息をつく
「なんで……うちの子なんだよ?みいじゃなくてもいいだろ?」
意地悪な事いってるお父さんに首をふるみつお君
「みい父さんと、みい母さんの子供のみいじゃなきゃ駄目なんです
この子以外に俺………欲しいものはない」
駄々っ子の様に言うみつお君の目から涙がポロポロ出てきた
「み みつお君?」
オロオロと涙を拭いてあげる
「っていっても、みつおは『神宮寺』捨てられないだろ?」
静かにお父さんを見つめるみつお君
「もし、どちらか選らばなければならなかったら『みい』を選びます
『神宮寺家』が仮に みいや家族に危害を加えたら、全力で叩き潰します」
ニッコリ笑うみつお君に呆れた顔のお父さん
「なあ~にいってんだ?お前なあ~長い人生、女は一杯いるんだぞ~!」
「沢山いようが、みいしか好きになりません」
困った様に笑うお父さん
「みつお~、お前がみいを『スズカゲ』
受験させたのは何かあんだろ?
意味の無い事お前しないからな………
大丈夫なのか?みいを泣かせる事になんね~のか?」
目を擦りながら
「みいを泣かせる様な事はしません!
絶対、大事にします!」
「おいおい、まだ嫁に出す訳じゃないんだから……」
慌てるお父さん
「いえ、いずれ嫁に貰います」
きっぱり告げたみつお君に呆れた顔のお父さん
「お父さんの負けね~!」
お母さんが、クスクス笑いながらきた
「ほら、あんまり意地悪いわないの!
二人供、これから受験が控えてるのよ?
動揺させないのよ~!?
みつお君、みいをよろしくね~」
ニッコリ笑うお母さんに
毒気を抜かれたお父さんは苦笑いしていた
「みつお君?ありがとう私も大好きだよ……ここまで頑張れたのはみつお君のおかげだよ 私を信じてくれたから、私もみつお君を信じるよ
スズカゲ受験…頑張るよ?」
ニッコリ笑う私を抱き締めるみつお君
お父さんの「こらこら……」と言う声は完全に無視してしまった
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