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薄暗い機内
予定変更してイギリスへ行く俺と父
二人きりは初めてだったが
イヤホンをして会話を遮断しようとする
「倉田家は面白いなあ?」
機嫌がいいのか珍しく話しかけてきた
アイツ(俺の母)が他人に心許しているの初めて見たと表情はわからないが嬉しそ
うだ
「光雄のお気に入りはまだまだだなあ
涼影合格したのは認めるが……
世間にはまだまだ出せないぞ?
どこかのお嬢さん貰った方が楽じゃな
いか?」
「ああ?」
苦笑する父
「あの娘は、いわゆる『野の花』だろ?
お前といて色褪せないか心配なんだがな?」
けっっ
「みいが…『野の花』?アイツがそうだったら、『ドクダミ』じゃね?
鈍くて強いの本人わかってねえし
俺をコケにしやがって~
アイツは断じて色褪せるタマじゃねえ」
ブツブツいってる俺に
珍しく吹き出す父
「あの娘の考えている事が表情で手にとるようにわかったがな…
お前と歩むには子供すぎだ
あの娘さんの姉さんは駄目なのか?」
怖い男がいるからなあ……
「みいじゃなきゃ駄目だ!これだけはゆずれねえからな?
『神宮寺』は興味ねえけど
俺が何とかしなきゃ働く人と家族守れ
ないんだろ?
何とかするさ……」
父親が不思議そうにみていた
「倉田家に行く時は、どうかと思ったがな 無駄な事ではなかったな…
仮に――――――」
ーーーーん?
「お気に入りがお前の手でファーストレディーになったなら…………」
父は笑う
「……いや………楽しませてくれよ?」
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