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「おはようございます」
従業員用の出入り口を通り事務所に挨拶をする
「みいちゃん おはよう今日も達弥と一緒でお願いね?達弥は二階の『紫陽花』
にいるから よろしくね」
クロちゃんのお母さんに「よろしくお願いします」と挨拶して二階へ行く
老舗の割烹料亭『黒川』でバイトを初めて今日で3日目
みつお君がイギリスへいってしまい、
お父さんも名古屋に戻った
それを良いことに亜依ちゃんはリョウ君とベッタリしていて
私はものすご~~く暇です
お母さんにお願いしてクロちゃんちで
バイトする事になった
二階の『紫陽花』で白いワイシャツに黒のスラックスをはいたクロちゃん
元々、男らしい顔立ちなので大人に見える
「おはよーみい………」
何か疲れてない?
「クロちゃん大丈夫?」
「ん、昨日終わったの夜中の一時
今朝は6時から働いてる……
実家とはいっても未成年に酷い仕打ちだよな~?」
うわ~何時間寝れたんだろ?
確かにめちゃめちゃ忙しい
平日でも館内の座敷は全部埋まってたけど今日は土曜日なので朝から夜まで
一部屋で三回は入れ代わりお客様が来た
それに……お客様からの熱い要望で
新館にブライダルホールが出来た
美味しい披露宴の食事とクロちゃんの
お姉さんの演出の良さに大人気だった
今日も二件披露宴があるので
調理場もパントリーも戦場のようだった
「みい…悪いけど午前中座敷の作り替え
終わったら、着物着て料理出すの手伝ってもらえないかなあ?
みいと一緒に入ったバイト三人ばっくれちゃって…人手が足りないんだ
頼む!!」
ええ~?
「い、いいけど……出来るかなあ?
私、着物着れないし…」
大丈夫、大丈夫と押しきられた
緊張するなあ~!
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