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午前中のお座敷のセッティングが終わって休憩室でクロちゃんと早目のお昼を頂いた
調理場が忙しいので仕出し弁当
「クロちゃん足りる?」
私は、朝ごはん一杯たべたから
クロちゃんのお弁当に唐揚げ乗せてあげた
嬉しそうに掻き込んで食べている
朝ごはんも食べてなかったんだろうな
私は9時から5時まで
クロちゃんは同じ年なのにお家のお手伝い偉いなあ
小学校から、ずっと一緒だったけど
困った人ほっとけないタイプだったから
お家の人が大変そうにしてるの見過ごせなかったのかな?
「クロちゃん?お家のお手伝い偉いけど……サッカークラブは行けてる?」
ん~………と渋い顔
「平日は何とか行けてるけど…
今のとこ土日が忙しいからな~
バイトの子入っても、ハードだしすぐ辞めちゃうしなあ……」
クロちゃんは、サッカー少年だった
スッゴク上手くて民間の強いサッカークラブに入っていた
魔法の様なボール捌きは素敵だった
「もったいないね?チームの人困ってるでしょ?」
複雑な顔して
「しょうがねーよ その内行ける」
ほら、みい食べちゃいな?といって
明るく笑うクロちゃん
何とか……ならないかなあ?
「こら!大丈夫だって……みいは優しすぎ!ほら、早く食べて、着物着るぞ?」
クロちゃんの輝く様な笑顔に目を反らして、慌てて食べはじめた
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