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「あら……可愛い!」
クロちゃんのお母さんが着物を着せてくれた
えんじ色の着物にショートボブの私
鏡にうつる姿は『座敷わらし』だった
「大丈夫!可愛いわよ~?達弥に聞いてみましょ?」
クスクス笑いながら手を引っ張られた
クロちゃんのお母さんも着物にきがえていたけど迫力ある『美人女将』
物悲しくなる私……
クロちゃんは、ネクタイを締めて
ビールを入れ替えていた
クロちゃんって、こうして見るといい男だなあ~
笑うと可愛いけど…普段は精悍な顔?
サッカーやってるからかなあ?二重瞼はくっきりしていて、少し気の強い雰囲気がある
「達弥~?みいちゃんどう?」
振り返ったクロちゃん
「…!」
みるみる赤くなってく
へ変?変なのね?
クスクス笑うクロちゃんママ
「じゃ、達弥~みいちゃんよろしくね~? 忙しいんだから、手だしちゃ駄目よ~?」
「はあ?なあに、いってんだ?
ババア!早くいけよ!」
真っ赤になって怒るクロちゃん
「みい、こっち……」
クロちゃんは黙ったまま二階に歩いていった
「あのさ~着物…似合うんじゃね?」
前を向いたまま、素っ気なく言うクロちゃん
でも、耳が真っ赤になってたから
可笑しいけど、嬉しくって
くすぐったい気持ちになった
「ありがとう……クロちゃん」
「…………………おお」
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